「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

おすすめ温泉スポット
寺田 早輪子
(2009/12/04)


栗駒山の山麓に湧く「希望」の温泉。ランプの宿・湯浜温泉「三浦旅館」の湯。2009年10月の終わりに、私は初めて、三浦旅館の湯船に浸かることが出来ました。

「三浦旅館」は、2008年6月の岩手・宮城内陸地震で被災し、1年4カ月に渡って営業停止を余儀なくされました。源泉が地震でぴたりと止まってしまったのです。私が、取材を訪れ、主人の三浦治さんと出会ったのは、2008年8月。三浦さんは「源泉が止まったことは命が閉ざされたようだ」と落胆していました。

「明治の始めから代々受け継いできた旅館の歴史を途絶えさせてはならない」と、三浦さんは近くの川で湧いていた別の温泉を、360mに渡ってパイプをつなぎ、旅館の内風呂に引き込みました。

2009年10月、避難指示が解除され、三浦旅館は営業を再開。再び客が戻ってきた旅館を、泊りがけで取材しました。地震の直後から何度も訪れていましたが、考えてみたら、私はこの日、初めて、三浦旅館の湯船に浸かったのでした。

ほんのり香る硫黄泉。冬の足音が近づく山の温泉は、心も体も芯から温めてくれました。電気は自家発電。テレビはなく、部屋の灯りはランプだけ。まさに「秘湯」。食事も三浦さん夫婦の手作り。山から獲ってきたばかりの山菜料理は絶品でした。

三浦旅館は、11月~3月は冬季休業となります。栗駒山では3m~4mもの雪が積もります。5月には、春の訪れとともに三浦旅館は再開します。再び、山の恵み「温泉」で立ち上がろうとする三浦さんを、これからも応援したいと思います。

みなさんも、ぜひ栗駒山のランプの宿を訪ねてみてください。

続いては、宮城の温泉は何カ所くらいまわったのかしら?広瀬アナウンサーです!

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