「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
冬が来る前に
寺田 早輪子
(2011/11/02)
「冬が来る前に、何とか防寒対策工事が始まってよかった。」
これは、宮城県内の仮設住宅に暮らす方の声です。
宮城の仮設住宅では、壁の断熱材、窓の二重ガラス設置などが、隣りの岩手県、福島県に比べて遅れています。
宮城県は10月24日から、ようやく防寒対策工事に着手しましたが、すでに朝晩は冷え込む日も多くなっています。「工事は年末までには完了する」(県の担当者)見通しですが、果たして、工事開始が遅すぎはしなかったか?…と感じます。
先日、仮設住宅で子育てをするお母さんたちにインタビューする機会がありました。
玄関を開けると、すぐにあるのは台所をかねた4畳半の居間。お母さんは「風が直接、吹き込んできて寒い」と訴えていました。
震災後に生まれたばかりの赤ちゃんは、部屋が狭く、ベビーベッドが置けないため、床に敷いた布団に寝ている状態。冬には、冷たい空気を誰よりも受けるかもしれません。
断熱材など建物の構造上の防寒対策も必要ですが、部屋の中で、より暖かく暮せるように、暖房器具を買い足すための補助も必要だと感じます。
仮設住宅は壁も薄く、お母さんたちは「隣りに、赤ちゃんの夜泣きなどの生活音が響いていないか、今はそれが一番気がかりだが、冬は外の寒さが直接伝わってきそう」と心配していました。
仙台放送スーパーニュースの気象予報士・知念キャスターに聞いたところ「年内の気温は平年より高い予想だが、年明け1月からは平年並みの気温に戻る予想」とのこと。
本格的な冬が来る前に、一日も早い工事の完了が待たれます。
続いては、柳沢アナウンサーです!