「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
水無月
寺田 早輪子
(2012/06/15)
水無月。六月。
あの大地震から、もう4年が経ちます。
2008年6月14日に発生した「岩手・宮城内陸地震」。宮城県栗原市で最大震度6強を観測。雄大な栗駒山も深く、大きく傷つきました。
温泉宿も多い栗駒山ですが、去年の東日本大震災の影響もあり、4年経ってもなお再開できずにいる旅館もあります。
「なぜ東北が、短期間に何度もつらい目に遭うのか…。」東北出身の私はこう考えずにはいられません。
それでも、東北人の私を、勇気づけてくれる一文があります。
『たゞいちばんのさいわひに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです』
東北(岩手)の出身で、私の大好きな作家の一人、宮沢賢治。『銀河鉄道の夜』にある文章です。「どんな困難なことも、きっとこれから出会う幸せのためにある。」そんな風に思えます。
現在、休業状態の宿のうちの一軒「三浦旅館」は、この8月の再開を目指し動き出しました。栗駒山に『いちばんのさいわひ』が訪れることを心から願っています。
「アナ・ログ」次は、金澤アナウンサーです!!