「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

宮城の魅力再発見
寺田 早輪子
(2022/07/08)


先日、仙台港で初めて「フェリー」に乗り込んでのインタビュー取材をしました。
仙台港では、太平洋フェリーが苫小牧~仙台~名古屋を結ぶ航路を運航しています。
私にとって、フェリーを間近で見るのも、乗り込むのも、初めての体験でした。
取材前、入港の様子を遠くから見守っていたのですが、徐々に近づいてくるその巨大な船体は、まるで、白壁の大型ホテルが海を進んでいるよう!
その規模の大きさに圧倒されていると、間もなく、さらに興奮する光景が…!
船首部分の扉(…というより、もう巨大な壁!)が開いて中から次々に車が出てきました。
扉が上部に開き切った様子は、子供の頃に大好きだった戦隊ヒーローが最終的に乗り込で敵を倒す「超合金ロボ」そのもの!興奮して写真を撮りまくりました!

ところで、今回の取材は東日本大震災をフェリー「きたかみ」で経験した航海士へのインタビューでした。その方は、当時、乗客を降ろして、仙台港に停泊していた「きたかみ」内で休憩中に大地震に見舞われました。フェリーは大津波警報が発表されたあと、船長の指示で沖に避難。4回の襲ってきた大津波を、洋上で文字通り「乗り越え」、無事でした。
迫る津波に激突した瞬間、船首が上向きになり、操舵室の窓から見えたのは、「空」。
そして、波を乗り越えた次の瞬間には「海」が見えたというほど、船体は上下に揺さぶられたそうです。
その方が、その時に感じたのは「恐怖」ではなく、「何とかこの事態を乗り越えるんだ!」という強い気持ちだったといいます。
そう思えたのは、船長や一等航海士の冷静な指示があったからだそうです。極限の状況で冷静でいられた背景に何があったのか?…インタビューで聞きました。
すると、「平時から安全を第一に、誠実に業務にあたってきた」という自信と、「繰り返し訓練を行ってきた」ことという言葉が返ってきました。
仙台港は、「誠実に安全を追求するフェリー」が入港している。これは誇れることだと感じます!

☆写真は、太平洋フェリー取材@仙台港。苫小牧から帰ってきたばかりの「いしかり」の大きさにびっくり!名古屋に向かうまでの3時間弱の間に取材させていただきました。
ありがとうございました!!

アナ・ログ。続いては、千坂アナウンサーです。


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