「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

受験
佐藤 拓雄
(2007/02/20)


昭和(!)63年度、つまり1988年度、つまり19年前の手帳を発見しました。
「代々木ゼミナール 学生手帳」。
いたいけな浪人予備校生だった僕のものです。
裏表紙にはさまれていた「学生証」は、とてもお見せできない代物です。オレ、こんな顔してたかなあ・・・ビフォー・アフターの世界・・・。いやはや。

中を見てみました。

時間割。
土曜日も授業がありました。週休2日に慣れっこになってしまいましたが、当時は、日本中どこも土曜日はお休みではありませんでした。日曜日は毎週のように模擬試験があったし、そうでない日は、いつも予備校の自習室にいた気がします。よくそんなに勉強してたなあ、と思わずつぶやいたら、妻に「そりゃそうでしょ、浪人生なんだから」と言われてしまいました。まあそうなんですけどね。

予定はほとんど書き込まれていません。
「そりゃそうでしょ、浪人生なんだから」という妻の声が聞こえてきそうなので、声には出さないことにしました。
2月になると、試験本番の日程がポツポツと書き込まれていました。ちょうど今頃は私立の試験や発表の日程です。
進学した東北大学の試験は3月5日6日。前日3月4日の欄には「上野発12:20 やまびこ111号 8号車2-A」。東北新幹線の東京駅乗り入れ前でした。
降り立った仙台駅で東北大学応援団につかまらないようビクビクしながら素通りしたこと、刺すような風の冷たさ、高校時代の友人の家に泊めてもらったこと、試験の翌日に福島県郡山市に住む祖父母を訪ね、祖母とウナギを食べたこと。
昨日のことのように記憶がよみがえってきました。

とりとめもない話になってしまいましたが、人に歴史あり、ということで。

受験生の皆様、とにかく最後まで往生際悪く粘ってください。

次回は、理科系大学出身の水上アナウンサーです。

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