「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

バーゲンと言えば

(2009/06/26)


バーゲンセールにはクリアランスセール、開店セール、記念セールなどありますが、他にも優勝セールというのもありますよね。私の記憶に色濃く残っているものは2006年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での日本代表・優勝セールです。
その日、決勝キューバ戦の時間は草野球をしていたため、家で録画予約。1年中、草野球をしていたため3月でも日焼け顔の草野球仲間達は「本当の野球好きはこんな日でも草野球をやるんだ」と胸を張りつつも、試合終了と同時にお疲れ様の挨拶もなく散っていきました(^^;
当然、家路は自然と足取り軽く。
こういう時にありがちなハプニングといえば、見る前に結果が判明してしまうこと。これは高確率で起きてしまうものです。
そのためキオスクが視界に入らぬよう神経を研ぎ澄まし、隣の会話が聞こえぬよう神経を鈍らせる。情報化社会から遁逃する難しさを改めて感じつつ、馴染みの風景も見え始め、家はすぐそこ。

さて、野球観戦といえばビールとつまみが定番。私は酒を飲まないため清涼飲料水とポテトチップスを買いに近くの大型スーパーへ足を運びました。草野球で乾いた喉を潤し、ポテチップスを肴に野球を観るという至福の組み合わせ。「最高ー、うおー!」という心の声がこだまします。
しかもスーパーは「WBC・優勝セール」一色。これはお買い得!!
さあ果たして日本代表は優勝できるのか!!


ここまでこの駄文を読んで下さってありがとうございます。
オチはすでにお気づきかと思います。
「うおー」の声は直後、1オクターブ低い音として現実のものとなりました。

結果が分かってしまって悲嘆にくれる私に、後ろから声をかけてきた外国人がいました。
「○#△*…」。振り向いた私に「オウ、ゴメン、キューバ人カトオモタ」。日焼けして肩を落とす私を仲間だと思ったのでしょう~、国際社会もここまできたか!
キューバ人に別れを告げ、私はセール品の清涼飲料水をいつもより多く買って家路に着きました。

続いては、金澤さんです!

戻る

アナウンサーTOP
HOME