「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

お盆の思い出

(2009/08/05)


確かに釣られた事はありませんが、釣りに行って友達の歯茎に釣り針をひっかけた事がありましたっけ…あれは痛そうでした…。

さて今夜は花火、明日から仙台七夕開幕と宮城の夏も真っ盛り!来週はお盆ですから「地元に里帰り」という方も多いのでしょうか?
私も毎年夏は両親の実家のある大阪に帰省していましたが、思い出と言うと…そうそう1度「精霊流し」に行った事があります。

あれは…小学校3~4年生頃。大阪の大正区にかかる大正橋下を流れる木津川に、父と一緒に灯お供え物を流しに出かけました。
家を出た所までは良かったのですが夕方とは言えそこは蒸し暑い真夏の大阪!
鼻から吸う空気まで暑く、若干バテ気味の私。
大勢の人々に囲まれて息も絶え絶え…

手を引かれながらようやく辿り着いた川べりには流す順番待ちの人が列にもならない程塊のようにごった返しています。

「わ~こんなに沢山の人が流しに来るんだ!」

驚きもそこそこにさぁ持ってきた灯篭を流そう!とドキドキしながら人ごみを掻き分け前に出ると…

そこには橋から15程下の船に繋がる巨大な滑り台が…!

何十人もの人がシューッとお供えしていた品々を滑らせ、用意された船に乗せていきます。
精霊流しと言うと、川や海に直接「灯篭」を流すというビジュアルイメージが強かったのですが、ちょうどその当時から川を汚さないよう収集船に集めて流し始めたそうです。水面にゆらゆら揺れる光を見られると思い込んでいた原少女はちょっぴりがっかり。

夕闇に浮かぶ灯篭を眺めながら…とは行きませんでしたが、それでも何百もの火やお供え物が船に集まり、その船が夕暮れ時、ビルが立ち並ぶ都会の川をゆったり進む様は何か心を打つものがありました。
こうして精霊流しをしたのは父方の実家であの1度きり。調べたら今も地元の人に手によってこの「精霊流し」は続けられているようです。

最近某ゲームのCMで、精霊流しを指して「あれは命なのよ」なんて言っていましたが、まさにあの時感じた何かは、そういう事なんだなぁ…としみじみ。
お盆に祖先を敬うこの習慣に、私は夏を感じます。

明日は浅見さんです!…とあるお盆のお話です。

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