「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
お盆の思い出
佐藤 拓雄
(2009/08/12)
育休生活5週目、めまぐるしいながらも、僕が家にいることで、なんとか回っている我が家。逆に、僕が仕事に復帰してからの我が家の生活が、そろそろ心配になってきました…大丈夫なんだろうか。
さて、お盆と言って、真っ先に思い出されるのが、父の実家、福島県郡山市です。毎年、夏休みになると、お盆あたりに何泊かしに行きました。その中で、今でも忘れられない強烈な思い出があります。
確か、幼稚園の年長くらいだったと思います。その日は、祖父の誕生日を祝うということで、父のきょうだいが集まって食事をしました。
当然、主役は祖父。
それが面白くなかったのか、どういう心境だったのかは全く覚えていませんが、ある瞬間に、こんなことを口走ってしまったのです。
「ぼくは、おじいちゃんの誕生日に来たんじゃないやい!」
本当に、なぜこんな馬鹿なことを言ったのか、全く訳がわかりませんが、この一言と、その後の出来事は、はっきり覚えています。父が恐ろしい顔でこちらへやってきました。そして、僕の腕をグワっとつかむと、奥の部屋へ連れて行かれ、ゴチーン。目から火花が出るようなゲンコツでした。
大泣きした挙句、食事の席に戻らされた時の情けなさ、恥ずかしさ。子ども心にも、自分のしたことの馬鹿さ加減が身にしみて分かり、しょげかえって所在なく座っていました。
叔母の一人が、やさしい言葉をかけてくれたことも覚えていますが、どう考えても100%自分が悪いわけで、弁解の余地もありません。もしかすると人生最初の苦い思い出、これが、お盆の思い出です。
写真が、その「おじいちゃん」と僕です。以前「祖父母の思い出」というお題で、同じ写真を掲載しましたが、もう一度。
続いては、梅島アナウンサーです。