「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

祖父母の思い出その2
佐藤 拓雄
(2009/09/07)


育休が終わり、仕事に復帰して1週間が経ちました。
とはいえ、仕事と休みの区切りは、イコール子育ての区切りとはなりません。第三子・次男は、もうすぐ生後丸2か月となりますが、泣いて、飲んで、だっこされて、寝て、の毎日が続いています。授乳などと家事のタイミングが、うまく分かれるときのほうが珍しく、いきなり、「はい家事はもうしませーん」というわけにはいきません。
そんなわけで、今月は、子どものお弁当を3回も作ったのですが、おにぎりをにぎっていて、母方の祖母のことを思い出しました。

いったい自分が何歳の頃だったのか、全く覚えていないのですが、祖母におにぎりを作ってもらったことがありました。
弟と2人、あるいは、末の弟もいたかもしれないので、そうすると3人で、寿司屋のカウンターのようにテーブルに横に並んで座り、向かいに祖母。祖母のところには、櫃か何かに入ったごはんがありました。
その祖母に向かって、僕たち子どもが、「まる!」「さんかく!」「しかく!」とか言います。
すると、祖母は、「はいよー」なんて言いながら、リクエストどおりの形で、小さな小さなおにぎりを次々に握ってくれるのです。子どもの口にも小さいくらいですから、直径は2センチくらいのものだったのではないでしょうか。具なし、海苔なしの塩むすびですが、小さいので、いくらでも食べてしまいます。
そのうち、「ほし!」「ひしがた!」なんていうリクエストまでして、それでも、祖母は、チャチャチャっと、きれいに、そのとおりのおにぎりを作ってくれるのです。
それが楽しくて楽しくて、何個も何個も作ってもらった覚えがあります。祖母の「おにぎり屋さん」は、後にも先にもその時だけだったように記憶していますが、本当に楽しかった、いい思い出です。育休をきっかけに、おにぎりをにぎったりするようになり、そのたびに思い出すようになりました。

次回は、寺田アナウンサーです。

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