「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

オリンピック

(2009/09/25)


私の「オリンピック」は、スポーツのオリンピックではなく数学オリンピックです。高校で一時期熱中したことがありました。数学オリンピックは国内予選⇒国内大会⇒国際大会と進みます。
私はここに書くには恥ずかしい成績でしたが、友人には国際数学オリンピックでメダルを獲るような人が何人かいました。

彼らには、数学の天才ならではのエピソードがあります。
一緒にご飯を食べに行ってメニューを観ていると、やにわに『この店の品物を全て注文すると◎◎円になる』と言い出しました。
私がメニューにあるだしまき卵の味を想像している間に、彼らはそんな計算をしています。

そういった数学好き達の多くには、ある共通点がありました。幼い頃から"鉄道好き"だという人が非常に多いのです。鉄道好きには乗るのが好き、見るのが好きなど様々あるようですが、数学好きの好物はみな揃って時刻表です。
以前、何が面白いのか聞いたところ、『特急が、鈍行をどこで追い抜くのか考えるのが面白い』と話していました。おそらく彼らは頭の中に路線図を広げて、JR・私鉄・地下鉄の全ての電車を時刻表通りにヨーイドンで走らせて、何十何百もある全車両の動きをシミュレーションしているのだと思います。
ものすごい想像力です。

この想像力が数学にも影響を与えていると思います。
例えば"トラックの周りを走る駆けっこ"に関する文章題は、山手線が好きな子にはあまり抵抗がないかもしれません。
さらに、太陽の周りを回る星の動きも山手線と近いものがあります。「太陽系の惑星が、すべて一直線に並ぶのはいつ?」「皆既日食はいつ起きる?」といった問いは、山手線のちょっとした応用程度かもしれません。

時刻表を観ていると数学が得意になるのか、はたまた数学の才能がある子の目には時刻表が魅力的に映るのか、どちらか分かりません。ただ、「幼少時から数字の羅列を見渡していて、数字に対する抵抗感がなくなった」という話す人もいます。もし子供を数学の天才に育てたいならば、路線図と時刻表を渡してみるのも一計かも??

写真は「みちのくYOSAKOIまつり」(10月10日午後1時から生放送)のPRでのひとコマ。
次は、一緒にYOSAKOIをお送りする寺田さんです。

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