「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

みどり

(2010/05/17)


グリーングラスという競走馬がいました。
1976年に菊花賞を制した馬です。
『Green Grass』
写真のユアスタのピッチのような"緑の芝"という意味の言葉です。

なぜこの話しをするのかというと、私は"スポーツ実況"をテーマに卒業論文まがいのものを書きました。
理工学部生でしたが、そういうのがOKなところに所属していたのです。
取り掛かった理由は、アナウンサーになることが決まっていたので研究してみようと思ったから。
しかし最大の理由は、スポーツ実況についてなら教授よりは詳しいであろうから、プレゼンも比較的楽になるかと思ったためです。
ただ、教授のプロレス好きが判明。「プロレスがスポーツかどうか」という、100人いれば100人が異なる答えを出しそうな議論にぶち当たりました。
教授は年齢不詳、見た目で判断すれば100歳をとうに越えています。仙人みたいな教授と、まさしく禅問答のようなやり取りが続きました。

よもやの展開です。
アルバイトをしていたスポーツ新聞社のプロレス好きの社員さんにプロレス観戦に連れて行って頂きました。
直木賞作家・村松友視著『私、プロレスの味方です』片手に、両国国技館でボディスラムを繰り出す曙の姿を見て、スポーツとは何ぞやという難問に立ち向かいました。
今思えば(当時もそう思っていましたが)稚拙な論文を書きました。

その中で当然、競馬の話も出てきます。
中でも名馬テンポイントが走った1976年・菊花賞『それ行けテンポイント!鞭などいらぬ!』という、元関西テレビの大先輩・杉本清さんの名実況は、多くの方の心に残っていると思います。
最近、浅見さんとの会話の中でふと、このフレーズが出てきました。スポーツの話題をしていたわけでもなかったのですが。
このレースで、テンポイントは最後の直線で交わされ2着になります。
交わした馬が"グリーングラス"です。
冬枯れの芝生の上を、グリーングラスがゴール板を鮮やかに駆け抜ける姿が、ハッキリと思い出されました。

私のような若輩者が杉本さんの実況の話をすることをお許し下さい。

続いては早坂さんです!

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