「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
小さい秋
(2010/09/24)
ようやく涼しくなってきました。秋ですね。
私は日本中が猛暑に包まれていた9月上旬に夏休みを頂き、ポーランドを旅行してきました。
日本ではまだ30℃を超える頃、ヨーロッパは今の仙台と同じくらいで20℃前後。8月下旬から涼しくなってきたと言うことで、ちょうど秋の入り口くらいの時期。上着を1枚羽織って、首都ワルシャワ(写真上)や、ガイド本によると「ポーランドの京都」と呼ばれている古都クラクフ(『シンドラーのリスト』の舞台となった都市)を歩き回りました。
そして、このポーランド旅行のメインイベントは、人類最大の悲劇が行われた『アウシュビッツ強制収容所』。当時の姿のまま一部、現存しているバラックには、今は資料館として多くの人が訪れています。
収容所内では数多くの遺品が展示されていました。
繊維として再利用されるために刈られた女性の頭髪、当時は今ほど普及していなかったという眼鏡、靴、食器、カバン。それぞれがうず高く山積みにされていました。
その中で、収容所の解放時に敷地内の焼却場脇で見つかったという"人の灰"を見た時は言葉を失いました。収容所に資料として展示されている写真から分かる当時の状況は、映画やテレビである程度は再現されている通りだと感じた一方、実際に足を運ばなければ感じられないものも多くあると思います。
この時期は冒頭に記した通り、秋の入り口。道を歩いていても黄葉が時たま1枚、2枚落ちているくらいでした。しかし10月になるとポーランドは街中の木々が黄色に色づく"黄金の秋"と呼ばれる季節に移ります。さらに、ほぼ一月かけ、国際的に最も権威のあるコンクールの一つといわれる第16回ショパン国際ピアノコンクールが開かれます。今年はショパン生誕200周年ということで、一生に一度の記念に観に行きたかったですが時期が合いませんでした。
ポーランドを訪れる日本人は年間数万人程度で人気スポットとは言い難いですが、この秋は訪れる価値大であることは間違いありません!
お次は飯田さんです。