「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
耳に残るあの音
佐藤 拓雄
(2010/10/25)
家庭の事情で長い間仕事を休ませていただいていましたが、おかげさまで今月から復帰いたしました。またどうぞよろしくお願いいたします。
自分にとって、一番耳に残る音、というよりずっと耳に残しておきたい音、それは、自分の子どもたちの声です。
生まれたばかりの頃の泣き声に始まり、意味不明な喃語、話し始めの片言の言葉、そして、どんどん成長して大人びた口を利くようになっても、その全てを記憶しておきたい、というのが親としての自分の心情です。実際、今も耳に残って離れないあのときのあの一言、あるいは、ああいうしゃべり方してたよなあ、という心満たされる印象的な「声の記憶」がいくつもあります。
ところが、人間の記憶など頼りにならないもので、残念ながらそうした全てを覚えているかというと、次々に忘れてしまっているのが現実で・・・
そこでありがたいのが、ビデオです。ビデオのいいところは、何と言っても音が残っていること。
我が家では、毎年、子どもたちのそれぞれの誕生日に、生まれた日から始まって、1歳2歳3歳・・・と、毎年の誕生日に撮ったビデオ映像を見返しているのですが、はっきり覚えていると思っていても、この頃こんな声だったっけとか、こんなこと言ってたっけとか、いい加減な記憶を改めて確かめることができたり、それによって記憶自体が補完されて修正されたりします。
今回のテーマは、「耳に残るあの音」ですが、耳に残りきらない音まで記録媒体に残しておくのもいいものだ、やはりビデオはちょこちょこ撮っておくべきだなあ、といつも思っています。
次回からは新テーマです。