「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
2011年、夏
(2011/08/31)
東日本大震災、原発事故と今年の東北の夏は、様変わりです。
海水浴場は、無残な姿をさらけ出しています。
以前、弊社で中継していた奥松島でのトライアスロン大会、七ヶ浜町でのビーチバレー大会、その光景がなぜか、頭に浮かんできました。
被災地の子供達を北海道や沖縄に招待し、思い切って夏を楽しんでもらおうといった支援も全国各地で広がりました。有難いことです。子供達の夏の笑顔を見ることが出来ました。ホッとしますね。
さて、私の夏?!><?!
今年は、色々と所用があり、小旅行も行っていないので、休みに観た映画の話を・・・
「木漏れ日の家で」
2007年に製作されたポーランド映画です。
ポーランド、ワルシャワ郊外の森の中の古い屋敷で、愛犬・フィラデルフィアと暮らす91歳の老女・アニェラ。
この91歳の一人暮らしのおばあちゃんを取り巻く物語でありますが、詳しいストーリーはさておき…
ポーランド版向田邦子作品といいましょうか?
しかし、向田作品のような最後に温かみのある結末を迎えるような作品ではないように感じられました。
息子夫婦や孫との関係は修復されないまま…
老いや高齢化問題、人生への生き方、家族との絆、そんなことを考えさせられた作品でもありました。
水墨画を見るようなモノクローム映像。アニェラ役の女優ダヌタ・シャフラルスカは、撮影時91歳、モノクローム映像が顔や手のシワの深みを、それは人生そのものですが、表しています。
映画のタイトルにもなった木漏れ日。カラーより美しい映像でした。
明日のアナログは、柳沢アナウンサーです。