「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

震災から半年
林 佳緒里
(2011/09/27)


写真は、今月10日放送の「ともに」でご紹介した桂島のノリの種付け用水車です。津波被害を奇跡的に免れました。直径6メートルもあります。

震災から半年、震災後に取材で伺わせていただいた場所はどう変わっているのか?変わっていないのか?
きちんと復興までの道のりを見届けたい思いもあり、2ヶ月ぶりに今月はじめ、塩釜市の浦戸諸島・桂島に行ってきました。

島の瓦礫の撤去は少し進んでいましたが、その様相はやはり震災の被害が大きかったことを物語っていました。

一方で、住民の皆さんは、心一つにお祭りを開いたりして、前に進もうという気持ちは、より一層強くなっていました。

大きく変わったこと、前進したことと言えば、何といっても、島を支えているノリ養殖が再開したことです。恥ずかしながら、いつもはノリを食するだけで、養殖がどう行われているのか?も知らなかった私。朝5時からの「種付け作業」を拝見させていただきました。
日の出から数時間が勝負の厳しい作業。生産者の皆さんの表情も真剣そのものでした。
種付け具合によって、収穫にも大きな影響が出ます。
厳しい条件の中、ようやくたどり着いた養殖再開、無事種付けが終わった後には、皆さんから安堵の笑顔がこぼれました。とても素敵な笑顔でした。

島の人の雇用も生み出していたノリの養殖の再開は、本当に復興への希望です。宮城県全体のノリ養殖の復活のためにも、必ず無事収穫できることをお祈りしております。

震災から半年、まだ変わらないこと、進み始めていること、いろいろあります。でも、その場所で懸命に生きていこうとしている方がいらっしゃることには変わりません。

ラストは浅見さんです。

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