「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

あの日あの時一番役立った物は?
寺田 早輪子
(2012/01/23)


3月11日の震災では、仙台市青葉区にある仙台放送4階のニューススタジオも、天井のセットが、下にあるキャスター席の方へ崩れたりと、被害が出ました。
余震でさらに崩れる危険があったため、ニューススタジオは立ち入り禁止に…。

代わって、スタジオ隣の「報道センター」に、臨時に、カメラ、マイクを設置してニューススタジオを設営しました。そこは、普段、アナウンサーがニュース原稿の下読みをする席です。

大地震の直後、3月11日の日中は、そこから、私と佐藤拓雄アナウンサーが交代でニュースを伝えていました。
目の前には、カメラ一台。マイク一本だけ。
生放送をするのに「テレビモニター」がありませんでした。

普段のニューススタジオならば、カメラが3台あって、その下にモニターが常設されています。
しかし、臨時設営のそのキャスター席には、「今、放送でどんな映像が流れているのか?」をチェックするモニターがなかったのです。

しかし、大地震直後は入ってくる情報がほとんどありませんでした。つまり「原稿」がない…。

「何とか、映像を見ながら、被害状況を伝えることはできないか?!」

その時、拓雄アナが取り出したのが『ワンセグTV』。
私たちは、情報カメラなどが映し出す「生」の映像を見ながら、街の被害の様子を話すことが出来たのです。


3月11日。東北では停電が長く続き、「テレビは見られなかった」というご家庭がほとんどでした。
そんな中、「充電が切れるまでではあったが、携帯電話のワンセグでテレビをずっと見ていた」という声も聞かれました。

テレビ局の中にいても、震災時、役に立ったワンセグ。あの日以来、携帯の充電は常に『FULL』にしておくよう心がけています。

続いては、あの日、「ワンセグ」を使うアイデアをくださった拓雄アナウンサーです!
ありがとうございました!


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