「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

ともに(2)
梅島 三環子
(2012/03/12)


震災から1年が経ちました。私は1年前のあの日のことを振り返ろうと思います。

私はあの日、東京に出張中でした。
午後2時46分。その瞬間は、東京へ向かう新幹線の中で迎えました。
車両は、上野駅手前の地下を走っているところでそれほど揺れは感じませんでした。「ぽんぽん」と、少し弾む感じといいましょうか…。
しかし、その後車内は真っ暗になり緊急停止。すぐに非常電源に切り替えられ、車内には灯りがともりましたが
そこから3時間近く閉じ込められることになりました。

一番不安だったのが、情報が無いこと。
「強い地震が発生した模様です。しばらくこのままでお待ちください。」
流れるアナウンスから思ったことはただ一つ。
「まずい…どっちだ?」
静岡出身の私は、東海の地震…そして、もちろん東北の地震が頭をよぎりました。
その後NHKのラジオが車両に流されてからは、被害状況をひたすら聞くのみ。
仙台が、東北が大変なことになっているのに何も出来ない自分が本当に情けなく、また悔しかった覚えがあります。

夕方、上野駅まで車両が動き全員新幹線を下ろされました。タクシーも捕まらず、歩いて宿泊先の赤坂まで…。
数多くの帰宅難民とともに土地感もそれほど無い都内を歩き続けました。
県内にいた方に比べたら、私なんて何の苦労にも値しませんがやっぱりそれなりにはしんどかったですね。

3・11…それ以来、新幹線が上野に近づくとちょっとドキッとしてしまいます。

明日は広瀬アナウンサーです。

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