「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

ともに(3)
林 佳緒里
(2012/03/19)


3月11日、私は東松島市内で取材をさせていただきました。
1年前から取材させていただいていた「青い鯉のぼりプロジェクト」です。(写真)
震災で亡くなった弟の供養のため、大好きだった青い鯉のぼりを空高く泳がせようと始まったプロジェクトで、震災から1年となったこの日、再び青い鯉のぼりが泳ぎました。

プロジェクトを進めてきたのが、この春、高校を卒業したお兄さんです。
同じように家族を失った方たちにむけて「この1年間を乗り越えられたのですから、復興にむけても進めると思います。ともに進みましょう」と、心強い言葉を残してくれました。とても印象的な瞬間でした。
皆さんはどんな1年を迎えられましたか?

さて、この場をおかりしてご報告があります。
私事ではありますが、今、2人目の子供がお腹にいます。4月末に出産を予定していて、明日から1年間ほどお休みをいただくことになりました。

今回の震災では、数え切れない命が一瞬のうちに失われました。命の尊さ、はかなさ、命についてこれほどまでに考えさせられ、教えられたことはなかったように思えます。

この時期に、宮城で宿した命、運命的なものも感じます。長男はもちろん、まもなく産まれてくる命を、どんなことがあろうと守り、命をつないでいきたいと思います。

アナウンサーという仕事からは少しはなれますが、しばらくは妻、母親に専念しながら、宮城、そして1人1人の心の復興にむけて、皆さんとともに歩んでいけたらと思います。これからもよろしくお願いいたします。

次は稲垣君です。私も、産まれてくる子供も、そして稲垣君もみんな辰年です。

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