「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
ともに(3)
(2012/03/16)
3.11の前日の10日、サッカーJリーグ・ディビジョン1が開幕しました。ベガルタ仙台はホームタウンでの開幕戦になりました。仙台 vs 鹿島という被災地にチームがある同士の開幕カードでした。昨シーズンから「ともに前へ」を掲げて戦ったベガルタ、今シーズンの開幕戦も気持ちが入った、勇気を与えてくれた試合でした。
翌11日の午前9時過ぎ、名古屋の地では、女子マラソンのオリンピック最終選考レースがスタートしました。何といっても4年ぶりにレースに復帰した野口みずき選手が注目でした。一時は先頭集団から150メートルの遅れをとりましたが、30キロ地点付近でまた先頭に追いつき、粘りの走りを見せてくれました。
レース後の会見で野口選手は「諦めないことを被災者に届けたかった」といいます。
オリンピック代表には選ばれませんでしたが、十分に被災地に届いた走りでしたし、本人にとっても手ごたえを掴んだレースになったと思います。
スポーツ界でも決してあの日を忘れていません。また日本中、世界中で3.11を追悼するイベント、支援するイベントが開かれました。被災地に住むものとして感謝します。
午後2時46分が近づくにつれ、何か胸が締め付けられるような恐怖感も感じましたが…
家族を亡くした方の気持ちを考えると、何と申し上げていいのか分かりません。
「元の町に戻って欲しい」
「本当の笑顔がみたい」
こんなことを祈りながら、見守りたいですね。