「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

2012年 春
佐藤 拓雄
(2012/04/16)


きょうからは、お題は、「2012年 春」。

先日、夜に駅前へ行って、気がつきました。
1年前の春は、こうではなかったと。

去年つまり2011年の春、4月20日過ぎのことです。
高校時代の級友が突然仙台放送を訪ねてきました。ボランティアをしに宮城県へ来たそうです。
関西在住で、何年も会っていなかった友人で、連絡先もお互い分からなくなっていましたが、震災のニュースで私の姿を見て、仙台放送に行けば会えると思って、来てくれたのでした。

その懐かしい友人と「食事でも」と駅前に行きました。
時刻は夜の8時半ごろでしたが、行ってみると、お店が軒並み店じまい。どのお店も、閉店時刻が午後8時ごろと、大幅に営業時間を短縮していました。
しかも、どこも明かりを落としぎみで薄暗い。
そんな中、10時までやっているという牛タン店を見つけて入ることができましたが、友人も、「まだこんなに震災の影響があるんだね・・・」と驚いていました。

そして今年、2012年春。
駅前のお店は、通常の営業時間。町の明かり、建物の明かりも、震災前と同じようです。
日常、普通であることのありがたさを改めて感じるとともに、震災で失われた日常が、すべてのところで取り戻されますように、と願わずにはいられませんでした。

続いては、広瀬アナウンサーです。

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