「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
梅雨の季節に思う事
佐藤 拓雄
(2012/06/25)
先月から今月にかけて、金環食、部分月食、金星の太陽面通過と、珍しい天文現象が続きました。
皆さんは、観察できましたか?
私は、幸運なことに、全て見ることができました。
金星は、曇り空で、ダメかと思いましたが、わずかな晴れ間に、大慌てで会社のテラスに出て、観察しました。
一方、写真は、金環食を観察したときのもの(仙台では部分日食ですが)。
私の父が、孫である私の子どもたちのためにと、筒を使って作ってくれた道具で映し出した日食の様子です。小さいけどはっきり見えているでしょう?
子どもたちの登校直前に、家族全員で外に出て観察しました。
近所の方もたくさん出てきて、みんなでわいわい。日食グラスを貸しあったり、父の道具で映し出した太陽の影を見て驚いたり。なんだか楽しかったなあ。
長男(中2)、長女(小6)は、間違いなく記憶に残ることでしょうが、もうすぐ3歳の次男は、どうかなー?その次男でさえも、次の金環食を仙台で見ることはないんですね・・・
私は、「天文ファン」でもありませんし、もちろん「日食ハンター」でもありません(笑)
むしろ小学生の頃は、星の観察とかは苦手なほうでした。観察をしても、星座が見つけられないことが多く、友達が「あ!見えた!」と歓声を上げているのを横目に、一人遅れをとり、でもそれを口に出すのは恥ずかしく、落ちこぼれたような、劣等感、敗北感を味わったことしか思い出せません。
ただ、野次馬根性だけは子どもの頃から変わらず、「次は何百年後」などと言われると、これを見ないでどうする!と思ってしまいます。
また、つくづく感じたのが、自然の神秘、面白さ。
地球は丸いんだなあ、自分は丸い星に住んでいるんだなあ、とも感じました。
震災をはじめ、自然の猛威に翻弄されてきた感の強いこのごろでしたが、この3回の天文現象は、自然というものに素直に感動できました。
そして、テーマと無理やりこじつけて言うならば、どれも梅雨入り前でよかった、ということ。
地球の、あるいは、宇宙の歴史の中では、あまりにも小さいことですが、そういうピンポイントのめぐりあわせ。さらには、小さな小さな自分が、そこに存在していることの不思議さ。
本当に、色々なことを感じました。
次は、「ともに」を一緒に担当している小口アナウンサー。見事な「晴れ女」です。