「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
神無月に思う事
金澤 聡
(2012/10/16)
2000年のシドニー五輪行きを掛けた、女子バレーボール世界最終予選。日本はクロアチアに敗れ、日本のお家芸とまで言われ脈々と続いてきた五輪出場の道が途絶えた。
代表に合流してわずか3カ月の選手が戦犯として扱われた。小さい選手では世界と伍してはいけない。なぜ彼女を起用したのか。激しいバッシングで彼女は心を閉ざし、引きこもった。彼女はほどなく引退を表明、バレー界から姿を消した。
しかし、卓越した運動能力と想像を超える努力に裏打ちされた速い精緻なトスを日本バレーが見捨てるはずはなかった。彼女は復帰を決意する。バレーから離れたことで彼女にプレーの幅が広がった。
いまや日本女子バレーは彼女の存在なくして勝利はない。その証拠に屈辱のシドニーから12年を経て、彼女中心のチームは悲願のメダルを獲得した。
「世界最小、最強セッター」 竹下佳江。
春高バレー全国大会が新春開催となり、県大会は10月に行われるようになった。成功の裏には、必ずたゆまぬ努力と信念がある。
今年はどのチームが夢の全国大会に出場するのか。
最後まで絶対にあきらめない竹下選手のようなプレーをたくさん見たい。
「神無月に思うこと」次は佐藤アナウンサーです。