「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

秋風に誘われて
佐藤 拓雄
(2012/11/02)


秋風に誘われた、わけではないのですが、秋晴れのこの日、長男の中学校の体育祭に出かけました。
小学校時代と違って、親に見に来てほしいのか来てほしくないのか、なんだか分からない態度で、中学校に入った途端に、学校行事との距離感が難しくなったなあ、と感じることもしばしばです。

それはそれとして、親が来ていようがいまいが、秋空の下、仲間と団結して、楽しそうにしている長男の姿は、見に行けてよかったと思いました。

体育祭の2週間ほど前には、野球部の新人戦がありました。新人戦に関しては、「見に来られるの?」と何度も聞いてきたり、中学生は分からないお年頃です。
気合を入れて試合に臨む姿、仲間を励ます姿、自分の好プレーに思わず緩む表情、敗戦に涙する姿・・・親として一生忘れられない光景がまた一つ増えました。

家では、生意気盛りの反抗盛り、親父を煙たがり、言うことを聞かず、ゴーイングマイウェイ、そのくせ、周囲の目をやたら気にする・・・

そういうところをすべてひっくるめ、なにげない会話の中で、
「青春だねえ・・・」
とつぶやくと、返ってきた答えが、
「青春って何?」
「まさに今のキミのことだよ」
「それじゃよくわかんないし」
「年を取ったらわかるよ、ああ、あれが青春だったなあって」
「ふーん・・・」

青春とは、振り返ってはじめて分かるもの。ああ、オレも年を取ったなあ・・・

・・・ふと気付くと、そんな会話を冷めた目で見ている小6長女。彼女は、まだ青春の入り口一歩手前です。

次は、浅見さんです。

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