「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
私の寒さ対策
佐藤 拓雄
(2013/02/04)
先日、系列の会議で富山に行きました。
この時期に雪の多い地域への出張は、それだけでなかなかリスキーですが、その日に合わせたかのように、この冬一番の寒気が入ってきました。
そういうことを見越して、もともと鉄道ルートで向かうことにしたのでしたが・・・
越後湯沢までは順調。ところが、富山へ向かう特急が強風と大雪で運休に。
ただ、在来線の各駅停車は運行中。集合時刻には間に合いませんが、なんとか到着できそうなので、2両編成のワンマン電車に乗り込みました。
列車は、一応定刻に出発。しかし、窓の外は、景色など何もないほど真っ白です。
写真を見てください。線路さえ見えないような状況です。
車内は、特急に乗れなかったと思われる人やスキー客でかなりの混雑。暖房は一応ついていますが、吹雪の中を走っているうえ、心細さも手伝ってか、結構寒い。スースーするのです。
ふと頭をよぎったのが、今ここで電車が止まってしまったら・・・という嫌な想像。
この天候、何があるかわかりません。
電車が進めなくなるだけでなく、吹雪の中、電気も止まってしまったら・・・しかも、聞いたこともない駅名ばかりの日本海側。線路の上を歩かされたりしたら・・・小心者のマイナス想像は、どんどん嫌な方向へ向かいます。
この時の私の服装は、軽装ではありませんが、移動も会議も室内、厚着し過ぎるとかえって暑くなってしまうし、荷物は少ないほうがいい、という考えで、外で長時間過ごすような準備は何ひとつしていません。「念のためもう一枚」も、使い捨てカイロも持っていないのです。
「これ以上寒くなったらいやだなあ・・・いざという時には新聞でも着るか・・・」
そんなしょうもない考えとともに、頭に浮かんでは消えたのが、この出張に関しての「私の寒さ対策」は、一体何が正解だったのだろうか?という疑問です。
結局、電車は止まることなく、目的地にはなんとか到着できましたが、荷物にならず、室内では暑くならず、万一のことがあっても寒くならない、そういう危機管理と身軽さを兼ね備えた「寒さ対策」はないものでしょうか。
ところで、この出張話、実はさらに続きがあります。「後編」にもよろしければお付き合いください。
明日は、寺田アナウンサーです。