「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
旅行
寺田 早輪子
(2007/05/14)
牧子ちゃん?「白いパラソル」…って、あなた。
聖子ちゃん、歌っちゃうよ♪
私が、これまでで最も印象に残った旅行は、『イタリア・フィレンツェ 女ひとり旅』。
3年ほど前、ツアーでなく、航空券も、ホテルも、自分で予約して、一人で出発しました。
普段から美術館巡りが好きな私。フィレンツェのウフィッツィー美術館にあるボッティチェッリの「春」、アカデミア美術館の「ダビデ像」を見るのが一番の目的。
パリの空港から乗り継いで、フィレンツェの空港に到着し、ホテルにチェックイン。
早速、向かったのがアルノ川沿いにある「ウフィッツィー美術館」。ウキウキで歩いていくと、美術館前で大道芸をする『ピエロ』に遭遇。かなり大勢の観光客の前で、ボールでお手玉をしたり、自転車の上でステップを踏んだりしておどけていた様子でしたが、私は、それを横目に、まっしぐらに美術館の入り口に向かっていた…その時でした!
ガバッと!私の体が浮き上がったかと思うと、ピエロの顔が、私の顔の真横に!
一瞬、「何が起きたのか?」と思いましたが…。私、ピエロに「お姫さま抱っこ」されてしまっていたのです!
ピエロは、そのままの体勢で、何やら笑いながらイタリア語で叫び、私とピエロを見て観光客はゲラゲラ笑いまくっていました。
力の限り、日本語で、「やめてくれ!」と叫びましたが、通じるはずもなく、「ああ、何で私、笑われているのかしら?」という恥ずかしさで胸一杯に。
…と、油断していたら、なんと!ピエロは、私を「お姫さま抱っこ」したまま、100mほど離れたアルノ川の岸まで駆け出したのです!
「ああ!やばい。さらわれる。」
…そう確信し、「HELP!」と、イタリアなのに英語で叫んだ…その時!
ピエロは、「ソーリー!ジャパニーズ ガール!」と微笑みながら、お姫さま抱っこを解除してくれたのでした。
夕暮れのオレンジ色に染まった川岸に、ピエロは私をそのまま放置し、駆け足で立ち去ったのでした。
腰が抜け、「…何なんだ?」と、その場でしばし、呆然としてしまった私。
初夏のイタリアで遭遇した珍事でした。
でも、「ガール」って呼んでくれたから、…許す( ̄▽ ̄ )
続いては…、またたび物といえば、この方、浅見さんです。
…って、浅見さんは「ばくちうち」ではありません。あしからず。