「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

秋のささやき
佐藤 拓雄
(2013/10/02)


自然と涙が出ました。

2013年9月26日、楽天イーグルス、リーグ初優勝。

やっぱりとんでもなくうれしかった。
ですが、楽天の優勝で自然に涙がこぼれるとは、自分としても予想外でした。
好きなプロスポーツのチームはいろいろありますが、優勝して泣けたのはこれが初めてです。

それにしても、優勝マジックが点灯して、今日か、明日か、と気をもんでいる時の心境は、まるで我が子が生まれるのを待っていた時のようでした。
そして、その間、何度も思い出したのは、球団誕生の頃の、あの大騒動でした。

対岸の火事にしか思えなかった、球界再編の動きが、突然私たちの宮城に「飛び火」してきたのが、2004年の9月のことでした。

2004年9月25日、私が担当していた報道番組「CATCH」は、新規参入に名乗りを上げた、楽天の三木谷社長生出演。宮城ローカルの報道番組で、「地元密着の球団を」と熱く語ってくださいました。
その一方で、こちらは、本当にここでプロ野球ができるのか、スピード勝負のIT企業だけに、ダメとなったらサッと引き揚げてしまうのではないか、地元に根付かせる覚悟はどれほどおありなのか?としつこく聞いた覚えがあります。

それから、実に丸9年。
素晴らしいチームが、宮城にしっかりと根を張り、ついに、実りの秋を迎えました。

9年という歳月は、長かったようでもあり、こんなに早く優勝できるとは、という驚きの気持ちもあります。
でも、球団初年度の2005年に小学1年生だった長男が、今は中学3年生。6年+3年の義務教育が終わるわけです。それほどの時間がかかったと考えると、長い年月か。
今年田中投手が「ひとつひとつ積み重ね」ということを何度も言っていましたが、今年に限らず、すべて積み重ねなんだなあ、とも。
あのボロボロのファーストシーズンがあって、今年の優勝がある。
昨日があって今日がある。あの日があって、今がある。
人生そのものですね。

大きな実りの秋、もうしばらく、夢心地を楽しんでいたいと思っています。

★写真は、最も愛用(?)している楽天グッズ。銀行の通帳ですけどね。

今回のテーマは、今日で全員回りました。
明日からは、新テーマ、まずは木下アナウンサーです。

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