「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
オータム・イン・MIYAGI
佐藤 拓雄
(2013/10/24)
もう15年くらい前のことになるでしょうか。
番組の中で、「宮城は、秋が短くて、夏が終わって秋が来たと思ったらすぐに冬になるように感じますね」
と発言したら、視聴者の方から苦情が来ました。
「東京目線の発言だ。宮城のことをもっと知れ」という内容です。
当時すでに10年以上宮城で暮らしていて、東京出身という意識もすでにほとんどなくなっていただけに、ちょっと傷ついたと同時に、考えても考えても、どこが東京目線なのか、全く理解できませんでした。
現在、宮城に住んで25年目。人生の半分以上をここで過ごし、身も心も宮城の人間という自負は当時以上ですが、やはり今もって、あの発言の何が「東京目線」だったのか、理解できずにいます。
そして、思い出すたびに、発言が客観的に事実と符合しているか、ということだけでない、言葉の難しさを感じてしまいます。何をどんなふうに言っても、100人中100人がこちらの意図通りに理解してくれるわけではないのだと、途方に暮れるような気持にもなります。
まあ、前向きに考えれば、だからこそ、発言は慎重に、よく考えて、言葉を選び抜いて、という戒めだと思うのですが。
今年も夏が終わり、短い秋が来ましたが、あれ以来、毎年この時期になると、やっぱり宮城の秋は短いよな、と確認しつつ、そんなことを思います。
つまらない話ですみません。
★写真は、景気よく、実りの秋で!仙台の玄関口の横断幕。なんか誇らしい(笑)
明日は、広瀬アナウンサーです。