「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
燃える秋
佐藤 拓雄
(2013/11/14)
きっと何人もが書くんだろうなあ、と思いつつ・・・
燃えましたね!日本シリーズ!
宮城、いや東北の多くの人にとっては「燃えた秋」だったのではないでしょうか?
本当に素晴らしい日本シリーズだったと思いますが、毎日ハラハラドキドキ、力が入って苦しいというか、試合が終わるたびにどっと疲れる、その繰り返し。なんだか長男の野球を見ている時のようでもありました。
多くの方が感じたことだろうと思いますが、私は、この日本シリーズで、改めて「絶対にあきらめない」ということを見せてもらったと思っています。
第6戦の田中投手の最後の一球はその象徴のように思いますが、勝った試合も負けた試合も、シリーズを通じて、いや、楽天イーグルスの9年間を通して、あきらめないとはこういうことだと見せてもらったような気がしています。
リーグ優勝したあと、津波で家を失った方から手紙をいただきました。震災の取材で知り合い、とても懇意にしていただいている方です。
手紙には、「楽天の優勝は本当にうれしかった。今すぐに結果が出なくても、あきらめずに努力していれば、いつか必ずいいことがあると思えた。被災地にとって何よりのプレゼントです」という趣旨のことが記されていました。
今は仮設住宅で暮らされ、本業の建て直しに奮闘されていますが、様々な困難に直面し、なかなか思うように進んでいません。
ただ、熱心な楽天ファンというほどでもなかったはずで、そんな方から、こういう言葉を聞くと、この優勝がどれほどの人に勇気をもたらしたのか、まさに、スポーツの域を超えた、「野球の底力」を感じます。
人はそれぞれ何らかの悩みを抱えて生きていると思います。その中身も次元もそれぞれ違って当たり前ですが、それでも、あきらめることなく努力すること、前を向いてがんばっていくこと、そうすれば、その先にきっといいことがある、そして、そう信じることが生きる希望そのものなんだ、と私は今感じています。
やっぱり野球は人生そのものですね。
明日は、寺田アナウンサーです。
★写真は、私の買った優勝記念グッズです。