「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

クリスマスキャロルが聞こえる頃?
金澤 聡
(2013/12/09)


クリスマスキャロルが聞こえ始めようかという頃の11月10日、ベガルタ仙台レディースが女子サッカーリーグ1部にあたる「プレナスなでしこリーグ」の最終戦を終えた。
1部リーグ参入1年目で、10チーム中5位という成績を残した。言い訳にしか聞こえないが、今年は楽天イーグルスの快進撃に押され、レディースの試合をほとんど見ることができなかった。
リーグ戦を終えて開かれたスポンサー謝恩パーティーに司会として参加した。シーズンを見ていない私にとっては大変申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
その席上でレディースの千葉泰伸監督はこんなことを言っていた。今年はけが人が多くやりくりに苦慮した。試合選手登録は15人だが、ある試合では14人しかベンチ入りすることができなかったと…。
ベガルタ仙台レディースでプロ契約しているのは、鮫島彩選手ただひとり。
その他の選手は、アマチュアである。普段は、仕事との両立を図らなければならない。そういった意味では、体のケアを含め非常に厳しい環境でサッカーと向き合っている。

9年前、球界再編の騒動の中誕生した楽天イーグルスはユニフォームも揃わないまま始動した。チーム専用のトレーニング室もなければ、シャワー室も完備されておらず、体をふくタオルさえない状況だったそうだ。それが、いまや日本一。球団創設時に関わった職員、スタッフ、選手にとっては感慨深い日本一に違いない。

ベガルタ仙台レディースも、いずれ参入1年目の状況を、笑い話として回顧するときがくるだろう。
レディースは、前身の東京電力マリーゼが震災によって解散に追い込まれるという騒動から誕生し、いまは温かい東北のサポーターに支えられている。
日本一に到達したチームに状況が酷似しているから。

次は浅見アナウンサーです。

戻る

アナウンサーTOP
HOME