「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

うまくいく?うまどしです!

(2014/01/10)


1月5日に開幕した春高バレー。
宮城代表の男子・仙台商業は3回戦で、女子・古川学園は2回戦で敗れました。
残るは男女4校ずつ。
明日、明後日で準決勝・決勝が行われ高校日本一が決まります。

私は仙台商業の3試合で実況を担当しました。
仙台商業は2003年3月の大会以来となる春高出場です。
その間、多くの先輩達が全国舞台に立てずに涙してきた歴史があります。
決して大きくないチームが勝つには"速さ・堅い守り・粘り強さ"が求められます。
体育館の4分の1の広さしかない環境で練習を続ける中、千葉監督は『負け続けてきた先輩達が、勝つための知恵を残してくれた』と語ります。

新チーム結成後の練習ゲームでは、宮城県の中学選抜と互角の戦いを強いられ、大学女子チームに敗れました。
そのチームが全国舞台に辿り着き、千葉監督は振り返ります。
『素直な選手が経験も実力もないことを自覚し、直向きに練習を重ねた結果』

全国大会開幕の前日まで私は練習場に足を運び、ゲームを見てきましたが、生徒達が監督コーチに褒められる瞬間は一度もありませんでした。
それでも選手達は『何とかなりますよ』と笑顔でした。

全国大会の初戦は得意のスピードバレーがさく裂。
長い時を経て久々に春高で白星をあげました。

2回戦の第1セットは21対24の劣勢から、粘りに粘って5連続ポイントをもぎ取り奇跡の逆転。
史上最高成績に並ぶ16強入りを決めました。

3回戦の相手は2年前の春高王者。
強豪相手に仙台商業は頑張りました。
第1セットは鉄壁のサーブレシーブで、リードしたまま終盤へ。
しかしそこから逆転されると、デュースで粘るものの28対30で力尽きました。

初のベスト8入りはなりませんでしたが、仙台商業は"スピード・守備の堅さ・粘り強さ"を全て発揮しました。
これらは、かつて悔しい思いをしてきた先輩達が残した、勝つための知恵の積み重ねです。
試合後、涙する選手達の横で千葉監督は話しました。
『負けはしたが、後輩達に良い財産を残してくれた』

全国大会に出られるのは男女とも52校。
悔しい思いをしてきたチームは他にもあります。
"次は自分達が"の思いで全国6400チームが次の春を目指します。

次は稲垣君です。

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