「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
風薫る五月
佐藤 拓雄
(2014/05/20)
春の味覚、タケノコごはんが我が家の食卓に上りました。
このタケノコは、今月の「ともに」でお伝えした、丸森町耕野地区のものです。
震災後、原発事故の影響で、出荷制限が続いていましたが、先月ようやく解除され、3年ぶりに出荷が再開されました。
この間、生産者の方は、竹林の維持管理のために、出荷できないタケノコを収穫して、廃棄処分していたそうです。
生産者の方々の辛さ、悔しさは、察するに余りあります。
番組で買ったものをスタッフみんなで分け合い、私も一本いただいて帰りました。
皮のついた生のタケノコです。
それをむいてゆでる、という作業は、恥ずかしながら今までやったことがありませんでしたが、少しでも早くゆでてしまったほうがいいと聞いたのと、夜遅くに持って帰ったため、一連の作業を私がすることになってしまいました。
親切なことに、ゆで方のレシピと、米ぬかまでついていましたので、その通りにやったら、あまり苦戦することもなく、無事ゆであがりました。1時間ほどかけてゆでるのですが、家中に広がる香りのなんとすばらしかったことか。
そして、翌日、妻がタケノコごはんにしてくれたというわけです。
実においしい春の味覚でした。
今まで、あたり前のように食べていたタケノコですが、今回ばかりは、生産者の方々の気持ちに思いをはせながら、かみしめるような気持ちでいただきました。
宮城県内のタケノコは、今も、丸森町の耕野地区以外の地区と、白石市、栗原市での出荷制限は続いています。
風評被害もあるかもしれません。
出荷制限解除となっても、まだまだ厳しい現実が続いています。
あすは、「ともに」を一緒に担当している、木下アナウンサー。今回のタケノコの話題は、木下さんが取材に行きました。