「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

お気に入りの旅行先
寺田 早輪子
(2014/07/09)


子供が生まれてからは、旅行らしい旅行はしていませんが…(^^;)
そんな時にこそ「身近な観光地の良さ」を再認識。

先日、取材で栗駒山中腹の耕英地区に行ってきました。6年前の岩手・宮城内陸地震以来、住民の皆さんの「現状」を取材させていただいています。

地震による土砂崩れで道路が寸断され、耕英地区には全世帯に避難指示が出されました。
生業を奪われた方もいました。
仮設住宅での生活を余儀なくされた家族もいます。

そして、3年前の東日本大震災。
栗駒山は二度の災害の影響を受け、今も、栗原市への観光客数は地震以前の数には戻っていません。

そうした中、耕英地区には、お会いするたび私に勇気をくれる男性がいます。
御年90歳!
今回も、奥様手作りのフキの煮物などをたらふく御馳走してくださいました!!

元々、耕英地区は、その男性など、戦後、中国やシベリアから引き揚げてきた人たちが切り拓いた土地です。
地震の直後、男性にインタビューした時の言葉が忘れられません。
「元々、道も何もなかったところだもの。また、一からやり直せばいいんだよ。私らにできて、今の若い人にできないはずがないよ。」

開拓魂。それは被災した子、孫世代に向けての言葉だったのかもしれませんが、
私自身も心が奮い立たされました。

そして、3年前。
震災直後、男性は、福島にある私の実家を気にかけて、電話を下さいました。
「今回の福島の被害、復興への道は、これまで誰も経験したことのないような険しいものになる。心を強く持って、できることをやりなさい。」

いただいたのは、このようなメッセージだったと思います。
うろ覚えなのは、電話で話を聞きながら、泣きそうなのを必死にこらえていたから。

いつも、実の祖父のように、私を見守ってくださる方です。
耕英に行くたび、実家に帰って来たような気持ちになるのは、その男性はじめ、「温かい人たちがここにいる」と分かっているから。

みなさんも、ぜひ、開拓魂と温かさあふれる耕英地区へお出かけください。
栗駒山の恵み・温泉も、ぜひ!!

☆写真は、耕英地区の日帰り温泉施設「山脈ハウス」駐車場にある『拓魂碑』。
山を切り拓いた開拓一世の言葉が刻まれています。

アナ・ログ、次回は柳沢アナウンサーです!!


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