「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

佐藤 拓雄
(2007/06/08)


雨と言えば、森高千里でしょう!カラオケの十八番です♪…もちろんウソです。

…さて、森高千里は大好きですが、雨はキライです。
雨が降るとそれだけで憂鬱な気持ちになってしまいます。空ばかりか室内も薄暗いし、雨で濡れる靴、ズボンの裾、カバン、服の袖、傘で一つ荷物が増えること、バスに乗るために傘を開いたり閉じたり、そういうものが全部煩わしくてイヤなんです。

でも、雨も悪くないなあと思ったことが一度あります。
小学校のまだ低学年の頃だったと思いますが、家族でハイキングへ行くことになりました。
日帰りハイキングとはいっても、家族でのお出かけとなれば、楽しみで仕方ありません。何日も前から、てるてる坊主をつるしたり、学校の遠足のようにおやつを買ったりして、心待ちにしていた記憶があります。
ところが、というか、このテーマですから、案の定というべきか、その日曜日は朝からグズグズの天気。お弁当とおやつをリュックに入れて一応出発したものの、駅に行く前に大雨になって、家に引き返しました。少し様子を見ていましたが、やむ気配はなし。楽しみにしていたハイキングは、中止になりました。雨なので外で遊ぶこともできず、楽しいはずの日曜日が、一転、退屈な日曜日になってしまいました。
すると、がっかりする僕たちを見かねたのか、両親が、家の中にレジャーシートを敷き、その上でお弁当を食べようと言い出しました。家の中なのですが、テーブルではなく、床にシートを敷いて車座になってお弁当を食べるのです。飲み物も水筒で飲みます。もちろんおやつもそこで食べました。
なんのことはありませんが、思いがけず、いつもと違う「非日常」なお昼ご飯になり、すごく楽しく、実際にハイキングに行ったかのようなワクワクする気持ちを味わうことができました。もしかしたら、実際に出かけるより楽しかったかも。何でも「気分」って大事なんだなあと思います。
そして、30年近く経った今でも、この時のことを思い出すと、微笑ましくも幸せな気持ちになるのです。

次は原アナウンサー。雨の続く時期になると抱える悩みがあるとか。

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