「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
2015年 ともに
金澤 聡
(2015/03/02)
2011年4月23日。雨の等々力競技場。
東日本大震災の影響でおよそ1カ月半中断していたJリーグが再開。
ベガルタ仙台にとっては特別な川崎フロンターレ戦となりました。
1点先制されましたが、太田選手が足をつりながらゴールを決め同点。
終了間際の87分にコーナーキックから鎌田選手のゴールで逆転勝利。
被災地チームとして絶対に勝利したいという執念が生んだ白星でした。
試合終了の笛が響くと、手倉森誠監督(当時)は感極まって涙を流し、記者会見でこう話しました。
『東北の、被災地の我々のチームに対しての日本全国からの思いというのがね、あのボールに乗り移って勝たせてもらったのかなと思います』
あれから4年。
手倉森監督のもとでコーチをしていた渡辺晋監督がチームをけん引。
今シーズンの開幕戦の相手は、モンテディオ山形。
3月7日。「みちのくダービー」で幕が開きます。
渡辺監督はこう意気込みを話します。
「3・11前に開幕戦を迎えられ、しかも相手は同じ東北の山形。ホームだし、特別な思いで臨む試合なので絶対に勝ち点3をあげないといけない。我々はそれにむけてしっかり準備してきた。サポーターと一緒にひとつになって勝利したい」と。
サポーター、そして、地域とともに歓喜のその瞬間を目指して、
5年目の希望の光は今年もいよいよ船出を迎えます。
(写真:ベガルタ仙台宮崎キャンプ場)
次回は梅島アナウンサーです。