「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

2015年 ともに
寺田 早輪子
(2015/03/06)


「家族と離れたくない」

そう言った途端、少女の目から涙がこぼれました。

石巻市で、津波で妹を亡くした女子高校生。
仙台放送では震災直後から彼女を取材してきました。

4年前は中学生だった彼女も、
今年4月には大学進学のため、宮城県を離れることに。

旅立ちを前に、先月、私は彼女にインタビューをしました。

「家族」というキーワードが出た時、彼女は涙を流したのです。

その涙は、彼女が私たちの前で見せた初めての涙でした。

知らない土地での新生活への不安と期待…、それだけではない「涙」でした。

震災で彼女は妹という大切な存在を失いました。
そして、「家族」が、かけがえのない、大切な大切なものということを痛いほどに、気づかされたのです。


家族は大事。命は大事。

これは、4年前のあの日、世界中の誰もが抱いた思いです。

2011年3月11日。世界中の誰もが、深く思い知らされたこのことが、
今、まるで、忘れ去られてしまったかのようなひどい事件や事故が世界中で起きています。

「家族」を思って涙を流した彼女の思い。
世界中の人々が、共有すべき思いです。

家族は大事。命は大事。
何気ない毎日を、たんたんと過ごせることは幸せなことだと…。

もうすぐ、あの日から4年。

今年も、被災地・宮城から、「大切なもの」を世界に発信します。

☆写真は取材で訪れた小学校で5年生と一緒にいただいた給食!何十年ぶりの給食!美味しかったです!

アナ・ログ、続いては、高谷アナウンサーです。

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