「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
新
寺田 早輪子
(2015/04/07)
「女川町の未来に向けて、出発進行!」
3月21日に全線開通したJR石巻線。
再建された女川駅での出発式で響きわたった号令です。
新しく生まれ変わった女川町。
200mほど内陸側に再建された駅舎の前に立った私は一瞬、方角が分からなくなりました。
それほどに、真新しい駅舎の誕生により、震災で大きく傷ついた街の景色は変わりました。
震災直後に、私が最初に取材に入ったのは女川町でした。
がれきが山となっていたあの光景は一生忘れることはありません。
新しい街の要となる「駅」が、震災から「4年」で開業しました。
「復興は時間がかかるものだ」と…、それでも、「一歩一歩、確実に前に進んでいるのだ」と、新しい駅が開業した女川町に立って、実感しました。
まちびらきの記念式典に出席していた方々のお話しも綴ります。
震災で、3歳の孫を亡くしたという女性。
「孫を亡くした悲しみは変わらない。変わらないけれど、こんなににぎわっている女川を見るのはうれしいね」
4年前のちょうど3月21日に、ご両親の遺体を女川で確認したという女性。
「震災直後のがれきだらけの町とは、全く別の町のようにきれいになった。
悲しいことが起きた場所だけれど、また人でにぎわう女川になりますように。」
女川駅に響いた号令のように「女川の未来に向けて…」、前を向いて進む。
そして、二度と災害で命を奪われる人が出ないよう、
「震災でどれだけに多くの命が奪われたのか」、絶対に忘れない。伝えていく。
真新しい女川駅の駅舎を前に、きっとみんなが、そう誓っていたと感じます。
☆写真は、仙台駅・JR仙石線のホーム。
足元で見かけた表示です。
踏まれても、踏まれても、頑張って仕事をしているけなげさに、共感…。
アナ・ログ、続いては、小口アナウンサーです!