「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

佐藤 拓雄
(2015/04/16)


「新」年度が始まってすぐ、非常にショックなことが相次ぎました。

ひとつは、後輩の配偶者が急逝したことです。
40歳。あまりに若く、あまりに突然でした。
小さなお子さんを遺して、さぞかし無念だったでしょう。
ご家族の悲しみを思うと、かける言葉もありません。
どうして?という思いが、今も頭の中を渦巻いています。

そして、もうひとつは、つんく♂さん。
生きるために声を失ったことを、公にしました。
シャ乱Qが大ブレイクする直前に、番組のゲストとしてお会いしたことがあり、その後も数度番組でお目にかかりました。
それをつんく♂さんが覚えているはずもないでしょうが、私は同い年ということもあり、「夕焼けニャンニャン」の話を楽しそうにしたりするつんく♂さんに、同じ年代を生きてきた同級生のような感覚で、勝手に強い親近感を抱き続けています。
そして何より、あの歌声が大好きです。
華やかで、艶やかで、色っぽく、不世出のボーカルだと思っています。
近畿大学の入学式で、強いメッセージを送られましたが、ご本人の葛藤はどれほどだったか、想像を絶するものがあります。
同時に、私が同じ立場に置かれたとしても、やはり同じ選択をしただろう、とも思います。

二人の方の生と死に相次いで接し、自分の生きている毎日がどれほどありがたく、かつ脆いものであるか、また、命には限りがある、ということを、改めて思い知らされました。
日々を大切に生きる。
当たり前の日常を大切にしたい。
…そうした思いを新たにしましたが、二人のことを思うにつけ、悲しい気持ちで胸がふさがれる、そんな新年度のスタートです。

妻が毎朝淹れてくれるコーヒー。
今朝もおいしく飲めることに感謝です。

明日からは、新たなテーマです。

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