「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
運動会
金澤 聡
(2015/10/15)
運動会と聞いて、気分が高揚する人、あるいは、胃が痛くなる人がいると思います。
私自身は、前者でした。
運動会は楽しくてしょうがありませんでした。
小学生の頃は足が速く、確か私の記憶が正しければ、
小6のとき50m走のタイムが、7秒8。学年で2番目の速さでした。
勉強は何をやっても平均的で、唯一自信があったのが走ることでした。
運動会のリレーはいつもアンカーで、最後尾から一気に抜き去る景色はいまでも覚えています。
スタートのピストルの音。火薬の匂い。前を行く走者の背中と砂埃。
コーナーでスピードを落とさず走る爽快感。そして、フィニッシュテープをトップで駆け抜ける…。
いまでも気分が高揚します。
しかし、30数年が経ち、父となった今。運動会と聞くと胃が痛くなります。
子供の前で走らなければいけない機会があるからです。
頭では疾駆するイメージはできていますが、
実際走るとなると、現実は甘くありません。
50mが怖いのです。
アキレス腱は切れないか?肉離れしないか?
一気に抜き去られて最下位にならないか…。
昔の栄華を取り戻すためには、
日々衰える体に逆走して鍛えないといけません。
それか、幸運が舞い降りてこないか…
先日息子が見つけた四葉のクローバーにお願いしようと思います。笑
次回は寺田アナウンサーです。