「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

"断捨離"
佐藤 拓雄
(2015/11/26)


断捨離。
心を動かされる言葉です。
余計なモノを捨て、さっぱりシンプルに暮らしたい、という潜在的な欲求を見事に突かれた感じがします。
多くの人にとって、そうなのではないでしょうか。

同じカテゴリーで、最近、「ミニマリスト」というものにも大いに興味があります。
ある意味、究極の断捨離といったところでしょうか?
・・・それぞれよくご存じの方には「違う」と怒られるかもしれませんが、不勉強は見逃して下さい。

しかし、そんな言葉に心を動かされながら、モノが増えるばかりの自分の生活という現実に目を向けると、時々、不思議な気持ちになることがあります。
日々「豊かさ」を追求しているはずなのに、一方では、そうした物質的豊かさは邪魔だと言わんばかりの考え。断捨離は、物欲を断って心の豊かさを、ということでもあるのかもしれませんが、どこか自己矛盾している感覚になります。そして、物欲の何がいけないんだ、と開き直った気持ちまで沸き起こってきたり。
どっちなんだ?と言われれば、「どっちもです」と答えるしかありませんし、要するに、バランスなんでしょうが、おいしいものをお腹いっぱい食べたいのに、ダイエット、というのとそっくりですね。

物質的豊かさがなかった時代や食糧難の時代に、断捨離もダイエットもなかったでしょうし、物欲も食欲も人間の本来的な欲求だと思いますので、現代日本特有の現象なのだろうなあ。
飽食の時代、「飽物」の時代、そんな言葉も頭に浮かびました。

どちらも捨てきれないから、私はいつまで経っても凡人なのでしょうし、あちらこちらへ心を動かされてしまうのでしょう。
言うならば、そういう全ての煩悩を超えた、達観した心境で暮らせたらどれほど心が平穏なのか。
まあ、そんな日は一生来ないと、なかば諦め開き直っていますけれど。

通勤途中、そんな煩悩を忘れさせてくれるような、初冬の風景に出会いました。でも、この柿、まず収穫できないだろうな、おいしそうなのに、と早くも食欲という煩悩が(笑)

明日は、梅島アナウンサーの断捨離です。

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