「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

2016年 ともに
梅島 三環子
(2016/03/14)


震災から5年の今年は、女川で取材をしました。

写真の通り復興に向けた工事が進み、
街の中心に立ってみても、元の姿は思い出せない程です。

「あの、埋まっているものは?」
私の問いかけに、地元の方が、
流された女川交番だと教えてくれました。

交番はそのままですが、周囲が7メートルもかさ上げされているので、埋まっているように見えただけでした。

「ちょうど、この7メートル下が昔の女川駅」。
そうも教えてくれましたが、幾重にもなるフェンスの向こう側にある海を見ても
実感がわきませんでした。

全てと言ってもいいほど、街の中心部を流された女川町。
復旧というよりも、生まれ変わるという印象を強く受けました。

そして、今回は女川中学校に伺う機会にも恵まれました。
校舎1階には、壁にびっしり張られた卒業生の俳句。
津波の恐怖、そして怒り。
震災直後の句には、子供たちの叫びのようなものが込められていました。

それが震災から5年の今年、
子供たちの句から震災が消えつつあると言います。
そして、普通の中学生の喜びや悩みに溢れているのだと。

子供たちがそう思えることは、
大人たちにとって、何よりの救いになるかもしれません。
街の復興、心の復興。
1日でも早く、「遂げた」と皆さんが思える日が来ることを心から願っています。

明日は、入社から5年ですね。稲垣アナウンサーです。


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