「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
子どもの頃なりたかったもの
(2007/07/05)
「逸見政孝さんのようなアナウンサーか、ダウンタウンのようなお笑い芸人」
小学校の卒業前に、父兄も参加して最後のクラス会が行われました。その中の"将来の夢発表"で僕はこう発言したそうです(母親談)。発言自体はうろ覚えなんですよね笑
でも確かになりたかったんです。当時僕がTVで夢中になっていたのは逸見さんとダウンタウンが出る番組でした。
ご両人の共通点は"司会、仕切りに長けて、面白い"こと。僕自身人前でしゃべること、級長や班長として仕切ること、先生やクラスメイトのモノマネで笑いをとることが好きでした。そんな僕にとって逸見さんもダウンタウンも、自分が好きなことの達人に見えて、格好良く、面白く、そして憧れだったのです。
特に逸見さんの存在は若干小学生の僕に大きく影響をもたらしました。活躍される姿は亡くなられて14年経った今でも脳裏に焼きついています。テキパキと司会をこなし、時に冗談でスタジオを笑いで包む。とことん真面目なんですが、笑いも忘れない。そのギャップが大好きでした。
ただ何より忘れられないのは逸見さん自身が癌であることを告白した記者会見。
「私が今侵されている病気の名前は、病名は、癌です」
「僕はやっぱり人間ができていないので恐ろしいです」
目が窪み、頬骨が浮き出るほど痩せてしまった逸見さんが自身の病を告白し、心境を語る姿はあまりに衝撃的でショックでした。そして、わずか3ヵ月後、早すぎる他界。速報ニュース、追悼特番まで放送され、改めて日本中から慕われていたことを認識しました。その人柄を自分も尊敬し、幼いながらこんな人になりたいと思ったのです。
逸見さんは僕の中でアナウンサーを目指すきっかけともなった人。幼い頃の記憶なので徐々に薄れてきてはいますが、いつも僕の頭の隅には逸見さんがいました。そして今もなお、永遠の理想として、その後姿を追い続けています。
さてお次は早坂アナ!子供の頃から並々ならぬ思いがあったようです。