「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

秋の訪れ
寺田 早輪子
(2017/10/05)


ブドウが店頭に並び始めると、「秋だなー」と感じます。

ブドウをみると浮かんでくるのが、父のこと。
亡くなって、もう16年になります。

父が大好きだったのが、濃い紫色の「巨峰」。
秋になると、いつも食べていました。

最期が近づいたころ、入院した父を見舞ったとき、大粒の巨峰の入ったゼリーをお土産に持っていきました。
でも、父はにこにこ笑いながら、「俺はいいから、食べれ」と言って、私と弟にゼリーを手渡しました。

あの頃は、もう食欲もなくなっていたのかもしれません。
弱っていく父を実感し、私は顔では笑いながら、涙をこらえていたのを覚えています。
それから間もなくして、転院した病院で父は亡くなりました。

今でも、スーパーで巨峰を見かけると、買って、仏壇に供えます。

今年も秋が巡ってきました。
父が亡くなって、もう16年。
もう父はいないけれど、毎年、おいしい巨峰に元気づけられています。

☆写真は…、とある金曜日(^^)梅島さんと♪

アナ・ログ。続いては…、金澤アナウンサーです!!

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