「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

新元号
佐藤 拓雄
(2019/05/14)


新元号のお祭り騒ぎをよそに、日常生活に変わりはないことを実感しているのは、私だけでしょうか。

確かに、「平成」というくくりで自分の過去を振り返ってみれば、大学に入って仙台に来て、就職して、家族を持って、という人生の節目がつまった31年間ではありました。

ただ、それも、後から振り返るとこうだ、というだけであって、元号が変わったからと言って、その元号でくくる時代を「このような時代に」というように、新しい何かを期待することには、どこか違和感があります。

そんな何となくモヤモヤした感じでいた改元前後、新聞に、「あしたのジョー」などを描いた漫画家のちばてつやさんの言葉がありました。
それは、「元号が変わっても、ずっと「戦後」であってほしい」というものでした。

本当にその通りだと思いました。
「平和」という抽象的なものでなく、「ずっと「戦後」」。なんと核心を突いた言葉でしょう。

「戦後」をずっと続けていくこと。
これこそ、元号が変わっても絶対にリセットしてはいけないことであり、今を生きる私たちの忘れてはいけないことだと気づかされました。


【写真】は、ゴールデンウイークのある日、仙台市内の某公園で。
こんな日常がずっと続くように、ずっと「戦後」でありますように。


明日は、飯田アナウンサーです。

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