「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
祖父母の思い出
林 佳緒里
(2007/09/10)
★写真はうまれたばかりの盲導犬候補の子犬達です★
神奈川県茅ヶ崎市にある実家は、父の祖父母との2世帯住宅です。数メートルの廊下でつながり行き来は自由。子供の頃はそれが何かと好都合でした。
お風呂以外キッチンなどは別だったので夕食時間もそれぞれ。うちは午後7時、祖父母宅は6時。子供にはその1時間がどれだけ大きかったことか。こっそり祖父母の家に行っては、夕飯をつまみ、とはいえ食べる量を加減できるわけもなくすでに満腹に。そしてしまいに自宅の夕飯を食べられずしかられる。この繰り返しでした。
さらに親に怒られそうになれば、廊下を走って移動、何とか大きな雷が落ちる前にセーフ。要領ばかりがよくなっていたかもしれません。
今は核家族化が進み、2世帯住宅も減ってきているようですが、振り返ると祖母は代々伝わる糠床を持ち、鰹節は削り器で、梅干は庭に干す、足踏みミシンで縫い物など古き良き光景を私にたくさん見せてくれていました。その時は当たり前の光景でしたが、今思うと貴重な光景だったんだなと。祖父母がいたからいろんな事のバランスがとれた生活を送れていたんだなと。
祖父は亡くなってしまいましたが、祖母は元気に家を守っています。実家に帰ると85歳になった祖母に会うたびに、私が今こうしていられるのは祖父母の存在も大きかった事を改めて思います。
このテーマのラストは由佳ちゃんです。