「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

祖父母の思い出
寺田 早輪子
(2007/08/31)


金沢先輩!そう!今回のお話は、「サイダー」が深く関係しています。
タイトルは、『孫七じいさんは、サイダーがお好き』
私の父方の祖父は「孫七(まごしち)」という名前です。七男ではありません。長男です。若い頃、大工だった孫七じいさん。87歳で亡くなりました。私は、当時、まだ4歳だったので、孫七じいさんの声、話し方…あまり覚えていませんが、いつもニコニコ笑っていた顔、カリカリに痩せた体、つるっつるの頭、そして、大のサイダー好きだったことは覚えています。
物心つく頃には、家の玄関には、近所の酒屋からケース買いしていた「瓶入りサイダー」が常に置いてありました。そのほとんどを飲んでいたのが、孫七じいさん。
強烈に記憶しているのは、夏の暑い日、食欲のなくなる時期に、孫七じいさんは、サイダーをご飯にかけて、かき込んでいました。まるで、この世で一番美味いものを食べているようなその表情につられ、私も、孫七じいさんに「サイダーかけご飯」を作ってもらっていました。ホカホカのご飯に、シュワシュワの冷た~いサイダー、……はっきり言って、味は……。
「サイダーかけご飯」を食べているところを、母に見つかると、「そんな訳の分からない食べ方をしちゃ、ダメ!」と怒られていたおじいちゃんと私。
はっきり言って、味は……。でも、美味しいか、美味しくないかではなく、孫七じいさんだけが食べられる何だか怪しい秘密の食べ物を、こそこそと、母には内緒でおじいちゃんと食べるあの時間が、好きでした。
今年は暑い夏でしたね。サイダーの美味しい暑さが続きましたが、この夏も、ご飯にサイダーはかけませんでした。( ̄▽ ̄ )
孫七じいさんの仏壇にサイダーをお供えしたい…。

続いては、おじいさまのお話でしょうか?おばあさまのお話でしょうか?浅見さま~!

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