「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

七五三
佐藤 拓雄
(2019/11/22)


七五三と言われてまず思い出すのは、やはり3人の子どもの七五三です。
自分の七五三は、もはや全く記憶がありません。

今回、子どもたちの七五三当時の写真を見返してみました。【写真】は、12年前、長女7歳の七五三。着付け完了!という一枚です。

印象的だったのは、長男5歳、長女3歳の七五三でした。
記念写真を撮るにあたり、3歳の長女は、初めて、ということばかり。
初めての和服、初めてのかっちりアップの髪、そして、初めてのメイク。
スナップ写真には、生まれて初めてファンデーションや口紅を塗られて、少々強張った緊張気味の表情が写っていました。あまりに口紅の色が濃いので、「これはいくらなんでも」と私が言って、落としてもらった記憶があります。
3歳の女の子のすべすべの肌に、メイクは不要でした。

一方で、アンシンメトリーにアップにしたヘアスタイルは、本人がかなり気に入ったようで、写真撮影が終わって、メイクを落とし、せいせいしたという表情で、普段の服装に戻っても、ヘアスタイルだけはそのまま、というスナップ写真もありました。

男の子は、着物を着るだけなので、長男は面白がっていたように思います。

それから11年後、今度は次男が5歳になり、記念写真を撮りました。
長男とは、顔や体形がかなり似ている次男ですが、性格はちょっと違い、着物の着付けの段階から、「服がキツい」とかちょっと文句を言って嫌な顔を見せたかと思えば、家族5人の写真には、かなり緊張したのか、硬い表情で母親の手をぎゅっと握って収まっていました。

七五三の写真撮影ひとつとっても、三者三様。
同じ親から生まれて、顔も似ていて、同じように大切に育てているつもりですが、つくづく、それぞれ別の人格なんだなあと思います。
三人それぞれ、自分らしく、自分の人生を健やかに歩んでほしい、というのは、七五三の日だけでなく、親として、永遠の願いです。


続いては、西ノ入アナウンサーです。

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