「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
1月22日はカレーライスの日
寺田 早輪子
(2020/01/28)
カレーを食べるたびに、思い出す場面があります。
アナウンサーになって間もない頃、系列を超えて全国の局アナが集まるアナウンス研修に参加した時のことです。
最初に行われた自己紹介の時間に「難題」を出され、いきなり面食らいました。
その時の講師は、今もご活躍の、当時はキー局の局アナだった憧れの先輩女性アナウンサー。くじ引きの箱を手に、素敵な笑顔で、次のような課題を出されました。
「この箱から、紙を一枚ひいてください。最近のニュースなどに出てくるキーワードが書いてあります。そのキーワードを必ず使って、1分30秒で、自己紹介をしてください。」
…まだアナウンサー1年目だった私。
…血の気が引く思いでした。
各局の新人アナたちが引いた紙に書いてあったのは、連日、新聞やテレビで見る政治・経済・医療・スポーツ…など、あらゆるジャンルのニュースのキーワードばかり。日々のニュースに敏感であるかが問われる場面でした。
そんな中、自分が引いた紙に、恐る恐る目を転じたところ…、
『マヨラー』
と、書いてありました。
…一瞬、呆気にとられましたが、確かに、『マヨラー』と、書いてありました。
『マヨラー』とは、どんな食べ物にもマヨネーズをかける「マヨネーズ好き」の、主に、若者をさす言葉。1990年代に「新語」として登場し流行っていた言葉でした。アムラー、カハラー、シャネラー、キティラー、シノラーの類です。
まさかの『マヨラー』に、緊張感もほぐれ、何とか1分30秒の自己紹介もクリア。
どのように『マヨラー』を入れ込んだのか、ざっくりその部分をお伝えすると…、
「私は『マヨラー』ではないが、どんな食べ物にも酢をかける、いわば『酢ラー』。
おススメは、カレー!カレーに酢をかけると本当においしい!!」
…などと言って、切り抜けたと記憶しています。
アナウンサーになって、今年で22年目に突入します。
今の私なら、『マヨラー』というワードを入れて、何と自己紹介できるかな~…と、
カレーに酢をかけて食べるたびに思います。
※写真は…、仙台市内のスキー場で発見!ラプラスのスノーチューブ!!
アナ・ログ、続いては、金澤アナウンサーです。