「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

図書館にまつわる話
佐藤 拓雄
(2020/05/21)


家のそばのツツジが満開です。写真を撮ろうと近づくと、どれにも、もれなくハチがいました。【写真】
ミツを集めているのでしょうが、「蜜」ではなく「密」の字を連想する自分に苦笑。

さて、本題。

世界のありとあらゆる書物を読みたい、という、およそ実現不可能な夢があります。
できるわけのないことであり、夢はしょせん夢なのですが、とにかくたくさんの本を読みたい。
読んだことのない本、出会えなかった本がほとんど、というのが実際の人生なのでしょうし、読書だけして過ごすわけにもいかず、暇さえあれば本を開くというわけにもいかないのですが、そこに無駄な抵抗を試みたい。

また、厄介なことに、世の中には、読むに値しない書物もこれまたたくさんあります。
有限の時間のなかで、そんな「ハズレ本」に関わっている暇はないのですが、何を読んでも100%絶対にハズレなし、と言えるのは伊坂幸太郎の小説くらいのもので、自分で買った本が、そうしたハズレ本だと、気が小さい私は、心理的にも経済的にも時間的にも、失ったものを考えてしまい、ちょっと凹んでしまうわけです。

そこで、図書館です。

手当たり次第に、これ面白そう、という直感だけで、次々に借り、面白くなければすぐに投げ出しても全く問題なし。ハズレ本にあたっても失うものがありません。さっさと返却してまた次、ということに何の後ろめたさも感じないどころか、堂々と期限内に返却して、期限を守る爽快ささえある、と言ったら言い過ぎか。

ハズレ本を回避しつつ、思いがけず、よい小説や、知らずにいた好みの作家が見つかることもあるのが、図書館読書のいい所。

新型コロナウイルスの臨時休館も一応終わったので、様子を見つつ、また図書館読書を復活させたいところです。


明日は、「カワウソLOVER」西ノ入さんの図書館話です。

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