「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
クリスマス
寺田 早輪子
(2006/12/14)
12月24日は『クリスマス・デブ』!!
私は、小学校にあがるまで、本気で、「イヴ」でなく「デブ」だと思っていた。
原因は、父だ。
巷に、クリスマスケーキや、鳥のももなどがあふれるこの時期、幼い私は、
「お父さん、クリスマス・イヴって、な~に?」と、近所のスーパーで、父に聞いた。
「『ケーキや、鳥のももを食べ過ぎて、太らないように注意してください!!』…という日なのだよ。デブになったら困るから、ウチは、ケーキを買わないよ。」
まじめな顔をして、父はそう言った。
「目の前にご馳走を出されても、じっと我慢をする。…クリスマスは、神が人間に与えた試練の日なのだ…。」
まじめに、私は、そう信じた。
小学校にあがり、ある日、1年2組で後ろの席だった仲良しのミッちゃんに、「クリスマス・デブ」について講釈したところ、大笑いされ、間違いに気づいた。
のちに、父は、「甘いもの、特にケーキが嫌いで、高いお金を出して買うのが嫌なので、ウソをついた」と白状した。
大人になった今、私は、敵を討つように、「イヴ」にはケーキを食べまくっている。
それでも、「あまり食べ過ぎたら、冗談抜きで、『イヴ』に、『デブ』になっちゃうわ。」と自制できる自分が、ちゃんといる。(大人なので、我慢できるのは当然ですが…。)
そんな時、父に少しだけ感謝してしまうのでした。
続いては、入社14年目(恐れ入ります!)佐藤拓雄アナウンサーです。