「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

不思議な話
伊藤 瞳
(2020/06/16)


私が通っていた中高一貫校では、挨拶が「ごきげんよう」でした。

先輩と廊下ですれ違うときも「ごきげんよう<(_ _)>」
授業の始まりと終わりの挨拶も「ごきげんよう(*'∀')」
校門を出るときも「ごきげんよう!(^^)!」
朝でも夜でも「ごきげんよう(*^-^*)」

その時々で、トーンは違いますが、朝なのか夜なのか、相手が誰なのかなどを気にせずに使える万能な挨拶「ごきげんよう」。

入学したての頃は、この挨拶になれなくて、異世界に迷いこんだような気持ちになったのを覚えています。
ですが、そんな学校の中で日々暮らしていくと、もう「ごきげんよう」を言わずにはいられない人間に生まれ変わってしまうから驚きです。ついには、クラスで友達と「ごきげんよう」の歌詞だけで構成される歌を即興で作ってしまうほど、「ごきげんよう」の挨拶に愛着を持ってしまいました。
学校を出て家の近所の人に会っても、うっかり「ごきげんよう」と言ってしまうこともありました( *´艸`)

こうして6年間「ごきげんよう」と一緒に過ごし、「ごきげんよう」なくしてはうずうずする体質になってしまった私。なので、高校を卒業し、大学に入学したての頃は、「ごきげんよう」のない生活が違和感でしかありませんでした。
それでも、不思議ですね。また大学での新生活になれてくると、6年分の愛が込められていた「ごきげんよう」も自然と体の中から抜けて、「ごきげんよう」のない生活に元通りになってしまったのです。

環境が変われば、気がつかぬうちに自分も変わっていってしまうのかもしれません。
大学を出て、新社会人となった私。変わってしまうこともこれから沢山あるかもしれないけれど、当時自分が大切にしていたものは、忘れないでありたいと思います。

写真は、中高の友達と成人式で再会したときの楽しそうな瞬間です(*^^*)

次は、優しさ溢れる牧広大アナウンサーです。
ごきげんよう!

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